あしたのつづき

本離れが進む中で
若い人に本読まなきゃと言う気はない
押し付けになるから

本以外に魅力的な世界があれば
それはそれでいい
年のせいか
映像から受ける感動は
余韻がすぐ消えてしまう
だって次々と
新しい情報が入ってくるから

本は活字だけ
その分ひとつひとつの言葉の意味を噛みしめ
言葉で成り立つ世界を自分の頭の中に構築していく
表される空気感や色や匂いまで
感じることができるのは
素晴らしい表現あればこそ
そういう本に出会うと嬉しくなる
現実では出会えない人、景色、シチュエーション、想い
旅と似てるの
未知の世界や人と出会え、時に大きな影響を受ける

最近はドキドキのミステリーに夢中になって
その中の哀しみや空しさに感動
でも
最近出会った本は
ある人の
エッセイであったり、詩であったり、エスプリの効いた評論であったり、風刺画であったり
それがたったひとりのひと
古本屋で出会ったその人は
全然耳にしたことのなかったひと
マルチなのにおごらず名声も求めない
波乱の人生なのにただ飄々と生きていたひと
その言葉はさりげないのに
鋭い…そして温かい

いい人に会ったよ
彼の本を読み終えて大きな満足感
感性が少し似てるのかな

その人の名は辻まことさん
だあれも知らないその人は
ただそのときの今を大事に生きていた
本の世界も結構いいよお
古本屋さんで見つけたっていうのも
なんか縁を感じるよね
そういうのも好き