あしたのつづき

生きていること
食べること
飲むこと
動くこと
眠ること
話すこと
笑うこと

そんなあたりまえのことを
つくづく有難いと思うこの頃

特に重い病気を患ったわけでもないのに
大げさではあるけれど
ただ普通に生きられる幸せを想う

なんの前触れもなく
それはやってきた
もうすぐ夜が明けようとする頃
突如するどい痛みで目が覚める
耳の下あたりから顎、そしてほほに
間断なく痛みが襲う
耳の病気？歯の病気？と思いながら
不安でいっぱいになる

やがて痛みのために
口が開かなくなりしゃべることもままならない
症状がおたふく風邪に似ているが
腫れは思ったほどではなく
血液検査の結果は、細菌による耳下線炎
丸二日は、話すことも、なにも口にすることもできなかった

抗生物質の投与で、ポカリとゼリーを口にした時は
思いのほか感激した
筆談でなく、自分の声で意志を伝えられた時の喜びも大きかった
息子がまだ保育時代おたふく風邪にかかり
パンパンに腫れた顔を写真に撮ったことを想う
こんなに痛かったのね
辛かったね
…とこんなに時間が経ってわかる

昨日の朝から起き出し
家事もなんとかこなし
今日は庭の花木の手入れまでできた
今、大変な病気と闘っている人に申し訳ないほどの軽い病気
こんなことで右往左往して恥ずかしいけど
こんなことがあるから
あたりまえの日々がいかに大事なのかわかる

昨日は家族の手を借りて
たまった器を窯詰めし、本焼きをした
元気な自分を過信せず
体と心に問いかけながら
生きていかなきゃと思う

画像は病気発症の前日
地域の人で守られている菖蒲園に行った時のもの
沢山の菖蒲、そして片隅で可憐に咲いていた紫陽花
花は本当に心和ませてくれる存在