あしたのつづき

器が音を出す
そうなんです、これ、ホント

窯から出した器が、外気に触れると音を出すんですよ
それは、キンコンカンコンと高い音
高くてもちっとも嫌じゃない、心地いい音色です

初めて聞いたのは
現在使っている電気窯購入のために
東京のメーカーまで出向いた時のこと
そのメーカーの名物社長が
目の前で焼成のデモンストレーション
釉薬を掛けた湯呑を窯に入れ
時々窯を開けて真っ赤に変身した姿を見せたり
あげくに3時間ほどで（その間説明やらの持論を展開）
窯の中から湯呑を取り出すパフォーマンス
湯呑の音がその時聞こえてきたんです

最初は壊れるんじゃないか？と不安げに
その内、色がどんどん変わっていくさまと
その音色に魅せられていったのを覚えています

今では窯出しの度に
この音楽を聴けることに
沢山の器がそれぞれかずかな音を発しながら身を冷やしていきます

昨日の窯出しの時もそう
心地よい音色に聞き惚れました

これもオーダーの焼酎カップ
まだまだ素焼きのものがたまっていて
急がなきゃ！の代物です




なんだか皆同じようにみえるでしょう？
でも違うんです
土の色と釉薬の色、ポップな柄の組み合わせで
同じものはひとつもなくしています
お客様が選んだカップは唯一のものになるように

窯の中にはまたもや器
今300度ですから、午後には取り出して
またあの音楽が聴けそうですよ

もうすぐひな祭り…そして両親の命日も近づいています
もろもろの想いの中で
小さなお手玉のお雛様を飾りました