ひとり旅で出会ったひと
Instagramを見ていたら
フォローしてくれたあるひとの名前に目が行った
そのひとは
12年前、北海道の離島の礼文島で会った人だった
当日の彼女は20代前半
親子ほどの年が離れた女性
彼女も同じくひとり旅だった
私は長年の仕事生活にピリオドを打ち
9日間の北海道ひとり旅の途中
礼文の北の果てのスコトン岬を出発し、島のいくつかの山を縦断し南に到達する試み
20才の旅で果たせなかったことをリベンジするため
礼文へ
若いつもりが途中で若者たちに付いていけなくなり焦った思い出はほろ苦い
向かって右端で手を高く挙げてるのが彼女
明るくって眩しいほど元気なその女性は、歩く途中である話を…
愛した彼が亡くなって、その悲しみを癒すため旅に出たと…
胸が詰まり、掛ける言葉も見つからなかった
その明るさの裏に深い絶望があった
ひとりで旅をすると、自然にひとり旅のひとと
近づくことになる
そのなかには秘めた辛い思いや、自分を変えたいと右往左往する人も少なくない
ずっと流浪の旅で生きている人もいた
当の彼女は、苦しみながら立ち直り、結婚し、4歳の子を持つ母となっていた
今は京都の嵯峨野近辺に住んでいるという
いつか会いに行きたいと思う
礼文島縦断の途中で見たお花畑
海にはアシカの泳ぐ姿も見られ、北の果てにいることを実感
途中からひとりグループを離れ歩いて海側に
これは予定通りの行動
他のメンバーは宿泊のユースホステルに向かった
私の宿泊先の迎えの時間には早すぎて
港まで海岸線をとぼとぼ歩いていた自分の姿を思い出す
台風下の曇天にカモメが飛んでいた
侘しくて、体のあちこちが痛くて
足をひきずり歩きながら、涙さえでそうだった
そんなとき、宿泊先のオーナーが心配して迎えに来てくれた
電話で、ひとりで港まで歩くと伝えたから
毎日船の着く時間に合わせて迎えに行くのを
早く出て来てくれた
ひとり旅は寂しい、でもだからこそ人との出会いが濃密になる
もう会えない人だから、心のなかを吐き出せる
そんな旅から10年以上経ち
今なら悩める人に救いの言葉を送れるだろうか?
自信がない
でも、あなたたちと会ったことは忘れない
それだけなら…言えるかな?
※最初の画像は、当時のホームページに旅行記をアップした際の加工画像
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