別れの前に
また会いたいね
…そう、その人は言った
私も、心からそう思った
それがわずか1週間前
今朝起きると訃報の知らせのメモ
信じられないことだけど
その人の告別式の知らせだった
年賀状だけの付き合いになって6年が経つ
会おうと思えば会えたのに
縁が薄くなっていた
突然の電話は
体調が悪くて入退院を繰返し
もうお店を閉めるから預かっていた器を取りに来てというもの
声は元気だけど
私はもう長くないの…と
俄に信じられず、そんなこと言わずに頑張ってと私
同時に器を置きっぱなしでご無沙汰していたことを申し訳なく思った
だから、体調が良くなったら
会いに行こうと思っていた矢先のこと
電話の際は、インフルエンザにかかり動けず
預けていた器はプレゼントすると言うと
とても喜んでくれた
私の本を読んで、あなたの文は詩みたいだから、詩を書いたらと勧めてくれたひとだ
ここ数年市民文芸賞を頂いているというと、これまたすごく喜んでくれた
私の展示会体験は、彼女のお店で数人のアーティストとともにやったのが初めて
今の私の陶芸と詩作のスタートになった場所
なのに
私ときたら
前夜の新年会で今朝遅く起きると
メモに書かれた告別式の時間は1時間後だった
もう行けないねとあきらめた
ごめんなさいね
1週間前の電話でお別れ言えたかなって
あんなに、何でもないように普通に話せたのは不思議な気がしてならない
お別れを言いたくて
きっと…そんな時間をくれたのねと思う
また会いたいね
ではなく
会えるときに会っておかなければ後悔するね
とそう思う
この頃どうしてる?と思える人がいたら
絶対会いに行かなきゃ…ね
命は限りがあって
別れはくるけど
どうか安らかに…と願う今
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