滅多に落ち込むことのない私は
いったんトーンダウンすると
なかなか切り替えができずひきずるタイプのよう

庭に咲いたこの山野草(大文字草)に心慰められるも

焼成の終わった粉引き汲み出し茶碗に心休まされるも
いまだ心の底に残るもやもや
そうだ!
こういう時はあそこへ…と向かった場所は
二俣にある
秋野不矩美術館

小さな山の上に立つ、どこかシルクロードを感じさせる土と木のシンプルな美術館
私の好きな
建築家藤森照信氏の設計による建物
眼下に二俣の町を見おろし、風と光が心地いい空間

少し急な山道を登っていくと、次第に美術館の建物が見えてくるアプローチも好きだ

今回の目的は
特別展の「堀文子展」

頂いた招待券を持ち、なんの知識もなく観た彼女の作品
ひとめで魅せられてしまった

作者は既に96歳
後年は終わりを予感させるモチーフもあるが、常に(そして今も)新しい世界に向かっている様子に驚く

写実の中にデフォルメあり、空想の世界も入り込む
パウルクレーの世界もあり、シャガールのような世界も、ポップな可愛い世界も、また水墨の世界も垣間見れ、まさに多種多様

自由な日本画技法とその作者の年齢に驚くばかり
自分の小ささや、狭い世界で右往左往している情けなさを想う
ちなみに堀文子さんの信条は
「群れるな、慣れるな、頼るな」
好奇心を失わず凛々しく生きる彼女は、ホントまぶしい
美術館を出ると、単純な私はパワーをもらった気がして軽やかな歩みに変わっていた

さて…大作の仕上げに頑張りましょうか