命を削る創作…陶芸家中野和馬

mamesan

2013年05月23日 13:55

昨日の誕生日
さてどんな一日にしましょうと考えた結果
電車に揺られトコトコと
気になっていた作者の器の作品展へ

電車の揺れがとにかく好き
ガタンコトンと線路を感じるのが好き
特に鉄橋を渡るときの感覚はたまらない

車窓から見えるなんでもない風景を飽きずに眺めるのが好き
各駅停車のローカル線が、駅に止まるたび、ドアが開き人が乗り降りする
その風景も好き
電車内の人間ウオッチングも…

旅行でもなんでもない
浜松から静岡への移動
それでも
私にとってはプチ旅行


器展は
島田生まれの新進気鋭の陶芸家、中野和馬さんの遺作展
駿府博物館で行われている「夭折の陶芸家 中野和馬という男」
 

故郷に工房を建ててまだ2年目
これからという時に43才の若さで急逝したという

彼の生い立ちから40年余の人生が
写真と作品で紹介されていて
知らなかった彼が身近に感じられ、切なくなった
亡くなった彼を火葬すると、まるで70代の人間の体の骨だったという
まさしく命を削る創作に生きた人だと感じた
彼の屈託のないこぼれんばかりの笑顔は
余計悲しみを深くする


作品の変遷を目の当たりにすると
その挑戦と苦悩と希望が見えてくる

会場での撮影はままならなかったが
ご実家のお茶(島田の製茶商がご実家)とお菓子を、好きな彼の器でいただくことができ
そこで数枚作品を撮らせていただいた

    

ここの作品はお茶用の小品だが、展示は大作もあって
記念に作品集を買ってきたので、家で今じっくりと楽しんでいる

足跡帳には
「和馬、お前とまた話したいよ」の言葉
友人の方かな?
私もなんだかぐっときてしまった
帰ろうとする私に玄関まで追いかけてきて
深々と頭をさげる女性は作者ゆかりの方だったかも知れない

誕生日の記念にここに行ったことを、うれしく思う
帰りには、静岡美術館でレオナール・フジタの絵画展を観て
市内をぶらつき
またトコトコと電車の揺れに身を任せた

迫力の作品に圧倒され
作品展を前に自信が余計無くなったが
今の実力でせいいっぱい頑張るしかないよね?

私の誕生日は
こんな一日でした






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