中野和馬さんへ
私があなたを知ったとき
爽やかな風を感じたのに
あなたに会いに行かなかった
私があなたに会いに行ったとき
あなたの息づかいを近くに感じたのに
すでにあなたは遠い世界に
今日再会したあなたは
あまりに激しく自分を生きていて
切なくて…苦しくて
それは
あなたの生み出した器たち
あなたが愛用した道具たち
割れや染みや汚れが
あなたの生きざまを見せてくれた
私の器なんて蚤みたいに小さくて
圧倒され
茫然と立ち尽くすしかなかった

会場に一言ノートでもあれば
こう…書き残したかった

現在、
島田博物館で開かれている、
陶芸家中野和馬さんの遺作展に行ったときのこと
昨日のことだ
電車に揺られてひとり向かうと、和馬さんのお知り合いが迎えにきてくださった
最初は陶芸本で、2度めは静岡の駿府博物館で
そして、3度めはblogが縁で
彼に出会うことになった

年に8回もの個展、しかも全て新作を…なんて無茶よね

1回に300の作品、年に2,400もの作品
まさしく命を削る作陶

何故そこまで懸命に突き進んだのか

残した器が彼の生きた証
3年前の駿府博物館とは全く異なる展示
2つの展示部屋は
動と静
最初に見たのは
大きな空間に、彼の陶芸生活をそのままギュッとひとつにまとめた感じ
まとめたというより
ランダムに積み木みたいに積み上げた彼の隠れ家のような様相
鞘やテストピースや作業台や陶片さえ見せている
未完の作品もあって…
その迫力に圧倒される

彼の友人である造形をされる方の演出とか…
あまりに沢山でどれを紹介すればいいのやら
許可を頂いて触らせて頂いた器から
自由奔放に器に対していたことがよくわかった
遊び心が随所に隠されているのは驚いた
まだまだ紹介しきれず

私も興奮状態なんで

今日はこの辺で
出会いが強烈で
私らしくなくまとまらないの
※遺作展は
島田博物館で来年1月15日まで開催中

案内は
こちら